施工管理と安全管理 建設業におけるポイント

前回は「施工管理ってどんな仕事?」というテーマにお話させて頂きました。
なんとなくでもイメージは付きましたでしょうか…?

さてさて、今回は施工管理職の中でも、「安全管理」をテーマにお話させて頂こうと思います。
安全管理とはなんぞや。
そんなところからお話させて頂きますね。

◇施工現場での安全管理◇

「安全第一」
工事現場の前を通ると、現場を囲うシートの中央とか、柵のポールとか、職人さんのヘルメットとか、至る所にこの文字が掲示されていると思います。黄色のヘルメットをかぶった職人さんが頭を下げているイラストなんかもありますね。
皆さんも「建設現場は危険が多そう」なんてイメージをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
(この前も強風でクレーン車が倒れましたし…幸い人的被害は無かったそうですが)

具体的に、建設現場ではこんな危険が潜んでいます
・大型建設機械の出入り、取扱時の事故
・クレーンからの重量物落下
・高所作業からの転落

などなど、数え上げるとキリがありません。
そんな就業環境でも、労災事故を起こすことなく安全な業務を行う―

実はこれ、現場監督が安全管理をしっかりと行っている証拠なんです。
例えば、業界全体として、安全管理のためにこのようなルールがあります。

○上下作業の禁止(落下物等の危険性)
○吊り荷の下の人払い(吊り荷落下事故)
○高所作業時の安全帯の使用(墜落時の命綱)

作業に夢中になるとつい見落としがちなルールでも、現場監督が繰り返し言い続ける、現場に立ち会ってルール通りに作業が行われているかを確認する、そうのような継続した業務も大切な仕事の一つです。

ではここからは、事故が発生する要因として大きくあげられる「環境的要因」「人的要因」の2つの側面に関し、施工管理としての安全活動について見ていきましょう。

【不安全な環境(設備)の排除】

環境、設備、簡単に言うと外的要因として起こりうる不安全状態に対してはどのような防ぎ方があるのでしょうか?
まずは起こりうる事故を想定することから始まります。

とはいえ、外的要因は常々変化します。
台風が来ている、強風が吹いている、真夏、真冬で危険度は変わりますし、建設物件によっても、工場なのか、ビルなのか、道路なのか、橋なのか、など建てるものが変われば不安全環境も変化します。もちろん、同じ建物でも更地の段階と高層階の工事ではやはり環境が変わります。

自動車の運転で「かもしれない運転」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるとは思いますが、建設現場においても「かもしれない」という観点から安全を確認することが重要です。その時、その場所における危険を察知し、適した安全対策を講じなければいけません。
例えば…

○重大事故に直結する、墜落や滑落防止の為に、開口部や端部には蓋や手摺を設ける
○重機(クレーン車など、上部が回転する機械)の旋回半径に三角コーンとコーンバーで囲いを設ける
○使用機器機材の安全点検を行う
○危険個所を目立たせるように、安全看板を設置する

などなど、不安全環境は数知れません。

小さな危険を大きく目立たせること。

事故予防のために、重要な観点です。
現場の危険に敏感となり、安全に作業ができる環境整備と段取りを行うことが施工管理職に必要な業務です。

【不安全な行動(人)の排除】

当たり前ですが…普通の人間は敢えて危険な事を行うことはありません。
交通事故でもそうですが、ほとんどの人が「事故を起こすとは思っていなかった」と事故後に言うわけです。では、どういったときに事故が起こるのか。先ほど「かもしれない運転」のお話をしましたが、その対義語として「だろう運転」という言葉があります。

大丈夫だろう、安全だろう。
そんなちょっとした不注意やうっかり。これが大事故を起こす原因となります。
これを防ぐために、現場ではこんな実務を実施しています。

○KYK(危険予知活動)の実施
毎朝の朝礼時に行う活動です。今日行う作業における危険を事前に想定し、その事故が発生しないようにするにはどうするか、を職人さんたち自身に書き出してもらい、実行動を元に事故防止を意識、自覚してもらうことで安全行動を促進します。

○新規入場者教育の実施
その施工現場に初めて作業に入る作業員全てに実施される教育です。現場における各施設設備の位置や禁止事項等を理解してもらう為に行います。

○職長会議の実施
各施工業者のリーダーである職長が集まり、毎日行われる打合せです。各工事の進捗確認や次の作業に移る為の障害が無いかを共有し、実際の施工をする立場からの意見を共有することで安全を確保します。

以上はほんの一例ですが、「現場に携わる一人ひとりが安全に対する意識を持つこと」が最も大切です。
日常と違い、ヘルメット着用のために視野が狭く、機材道具を抱えての移動など、ただの歩行ですら危険な状態です。
そんな状態で不安全を察知するには、知識と経験が必要です。
当たり前と思われることが当たり前ではない。施工管理者は口酸っぱく声をだしていく必要があります。

他にも、季節特有の安全対策があります。
真夏では熱中症を防ぐために、体調不良に気を配る、水分補給をこまめに取らせる必要がありますし、強風の日には一般の人に被害が及ばないよう、資材や建材などの飛散対策をしたり、豪雨など悪天候の際には工事を中止するなど、様々な判断や決断を行う。
これも現場監督の大切な仕事です。

労災事故を起こした時、一番つらいのはその本人と家族です。
全員が安全に竣工を終える。
施工管理として、一番大切な仕事です。

それではまた次回、お会いしましょう。

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